コンテンツマーケティングでのコンテンツ企画3ステップ【BtoB向け】

コンテンツマーケティングでは、SEOコラム、ホワイトペーパー、サービス資料、導入事例など、さまざまなコンテンツを企画・制作する必要があります。

しかし、いざ制作しようとすると「どのようにコンテンツを作れば良いのかわからない」「コンテンツ制作の優先順位付けが難しい」と悩むBtoB企業の担当者も少なくありません。

そこで本コラムでは、BtoB領域のコンテンツマーケティングで成果につながるコンテンツを企画するための3つのステップを解説していきます。

これから取り組む方も、すでに始めているが効果が伸び悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください。

目次

なぜコンテンツ企画が重要なのか?

コンテンツマーケティングに取り組むと、「まずは記事を増やしてみよう」「とりあえずホワイトペーパーを1本作ろう」といった場当たり的な動きになりがちです。確かに一時的な成果は出るかもしれませんが、継続的にリードを獲得するには不十分です。

企画段階からしっかりとコンテンツの設計を行うことで、単発の施策ではなく、戦略的に顧客のニーズに沿ったコンテンツを提供できるようになります。顧客が求める情報を体系的に用意できれば、検討段階ごとに信頼関係を深めやすくなります。

また、営業成果に直結するコンテンツを選べることも大きなポイントです。商談や受注につながる情報を事前に整理しておけば、制作リソースをより効率的に投下できます。

さらに、制作の優先度を決めやすくなる点も見逃せません。闇雲にコンテンツを作るのではなく、「今必要なのはリード獲得用の資料か」「ナーチャリング用の記事か」と判断できるため、成果への道筋が明確になります。

このように、企画は単なる準備作業ではなく、成果を出すための基盤づくりそのものです。運用フェーズに入ってからの改善もしやすくなるため、必ず取り入れておきましょう。

▼コンテンツマーケティング全体の運用ステップについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

コンテンツマーケティングでのコンテンツ企画3ステップ

1:ペルソナの設計

”コンテンツ”マーケティングとはいえ、コーポレートサイトやサービスサイトで、ただひたすらコンテンツを公開すれば良いというわけではありません。

コンテンツが自社の顧客となり得る見込み客の情報ニーズに合っていなければ、「読んでもらえない」「リード獲得につながらない」といった状況に陥る可能性が高いです。

そういった状況を防ぐために必要なのが、ペルソナ設計です。ペルソナとは、自社商材を導入する典型的なユーザー像のことを指した言葉です。

下の画像例に示すように、あたかも実在する人物であるかのように、年齢、性別、所在地、役職、年収、価値観といった細かな情報も含めて人物像を明確にしましょう。

ペルソナを明確化することによって、常に「誰に向けたコンテンツなのか?」という根本に立ち返ることができるようになり、チーム全体で一貫性を保ちながらコンテンツマーケティングを進めていけるようになります。

既存の自社商材について「架空の人物像をペルソナに落とし込むのが難しい」という場合は、既存顧客の担当者をペルソナとする方法もあります。

2:カスタマージャーニーマップの作成/情報ニーズの把握

次に、設計したペルソナが、自社の商材を発注するまでにどのような思考や行動を経るのか、検討した上で可視化しましょう。

その際に活用されるのがカスタマージャーニーマップです。カスタマージャーニーマップは、見込み客が商材を認知した後、情報収集、比較検討、商談、社内稟議といったプロセスを経て最終的な導入に至るまでの思考や行動の変化を時系列で可視化したものです。

カスタマージャーニーマップは、あくまでも仮説として作成するものですが、できる限り実態に即したものにしておかないと、その後制作するコンテンツの仕上がりに悪影響があります。

そのため、マーケティング部門だけではなく、営業部門も巻き込みつつ、見込み客が自社商材の導入に至るまでのプロセスなどをヒアリングしたうえで、次のような形で最終的な受注に至る過程でのリードの情報ニーズを記載するようにしましょう。

【ウェブ会議ツール導入までのカスタマージャーニーマップの場合】
●潜在層リードの情報ニーズ(例)
「来年以降も、度々在宅勤務が発生しそうだな。在宅勤務中も生産性高く働いてもらうための仕組みづくりのノウハウが知りたい」

●顕在層リードの情報ニーズ(例)
「たくさんあるウェブ会議ツールの中から、自社に最適なものを見極めるにはどこに注意すれば良いのだろう?」
「導入にあたって社内稟議をスムーズに通過させるためのコツを知りたいな」


出典:https://webbu.jp/customer-journey-2532

3:コンテンツマップの作成

カスタマージャーニーマップの作成を通じて見込み客の情報ニーズが明確になったら、コンテンツマップを作成し、情報ニーズに合ったコンテンツの概要を可視化します。

コンテンツマップは、ステップ2で作成したカスタマージャーニーマップを念頭に、各フェーズの情報ニーズを満たすためのコンテンツのアイデアを記載したものです。

カスタマージャーニーマップで可視化した行動を踏まえつつ、それぞれのコンテンツをどのような形式で、どのような手段で配信するのかも検討しましょう。

【代表的なコンテンツの形式】

  • SEOコラム
  • ナーチャリングコラム
  • ホワイトペーパー
  • サービス資料
  • DM
    など

【代表的なコンテンツの配信手段】

  • ウェブサイトでの公開
  • メルマガでの配信
  • 郵送での配信
  • FAXでの配信
  • 問い合わせフォーム経由での配信
    など

BtoBのコンテンツ企画でよくあるつまずきポイント

コンテンツ企画の流れはシンプルに見えても、実際に進めると途中で止まってしまうケースは少なくありません。特に現場では次のような課題がよく見られます。

ペルソナが完成しない

社内の意見がまとまらずペルソナが完成しないことがあります。営業・マーケティング・経営層それぞれが異なる顧客像を描いており、議論だけで時間が過ぎてしまうパターンです。結果として、誰に向けたコンテンツなのか不明確なまま制作が進み、成果につながらなくなります。

営業が参加してくれない

次に多いのが、カスタマージャーニーを営業とすり合わせられないという課題です。営業が持つ「現場の生の声」とマーケティングが描く「理想の顧客像」にギャップがあると、シナリオが現実と乖離してしまい、実効性の低い施策になってしまいます。

アイデアが出てこない

さらに、コンテンツマップのアイデアが出てこないという悩みもあります。いざ「このフェーズに必要な記事や資料を考えよう」としても、参考事例がなくブレインストーミングが空回りしてしまうのです。

こうした課題を乗り越えるには、外部の制作会社や専門家をうまく活用するのも効果的です。自社内での議論に行き詰まったときは、外部視点を取り入れることで新しい発想や整理ができることもあります。

▼コンテンツの外注については、下記の記事もご一読ください。

コンテンツの企画から制作までコンテンツマーケティングをワンストップでご支援!

今回は、BtoB領域のコンテンツマーケティングで成果につながるコンテンツを企画するための3つのステップを解説してきました。

株式会社リードレでは、数多くのBtoBコンテンツを制作してきた実績をもとに、カスタマージャーニーマップの作成やコンテンツマップの作成はもちろん、コンテンツの実制作も含めてBtoB企業のコンテンツマーケティングをワンストップでご支援しています。

これからコンテンツマーケティングに取り組もうとしている企業様、コンテンツマーケティングで苦戦しているというマーケティング担当者の方は、ぜひ下記のサービスガイドをご一読ください。

この記事を書いた人

出版社から業界団体という、異色のキャリアを経てBtoBマーケターに転身。IT・メディアから製造業・サービス業まで、多岐にわたるコンテンツ制作経験で得た知見を基に、細部まで一貫性を持った提案・支援を行う。

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