工務店・住宅会社でLINE公式アカウントを運用していると、友だち登録の時期によって、届く情報に差が出ることがあります。先週登録した人には案内が届いていても、今日登録した人にはまだ何も届いていない、といった状態です。
そこで使えるのが、登録を起点に、あらかじめ用意したメッセージを順番に自動配信する「ステップ配信」です。
本記事では、工務店・住宅会社がLINEのステップ配信を組み立てるための、配信の目的設計・シナリオの順序と内容・タイミングの決め方・運用と見直し・同意と個人情報への配慮を、実務の手順として整理します。
この記事の要点
- ステップ配信は、登録などを起点に、用意したメッセージを自動で順番に届ける配信。指定した日時に対象へ届ける一斉配信とは仕組みが違う
- 作り始める前に、「登録後に何を届け、どの案内まで含めるシナリオか」という配信の目的を先に決める
- シナリオは順序・内容・タイミングで組み立てる。案内だけを並べず、家づくりの判断材料を挟む
- 組んだ後は反応を見て文面・順序・間隔を見直す。同意・配信頻度・個人情報の扱いを前提にする
LINEのステップ配信とは|一斉配信との違い
ステップ配信とは、友だち追加などの条件を起点に、あらかじめ用意したメッセージを、設定した順序やタイミングで自動配信する機能です。
LINE公式アカウントでは、友だち追加経路や属性、オーディエンスなどを使った条件設定もできますが、本記事では住宅会社で使いやすい「友だち追加後の配信」を中心に説明します。
条件分岐を設けない基本的なシナリオでは、登録した人へ設定した順序でメッセージが届きます。
一斉配信との違いは、起点と届き方にあります。一斉配信は「今、その時点で設定した対象へ、同じ内容を送る」配信です。対してステップ配信は、友だち追加などの条件が成立した時点を起点に、設定したタイミングで順番に届く配信です。この仕組みにより、登録のタイミングが異なる人にも、あらかじめ設定したシナリオに沿って情報を届けられます。
| 一斉配信 | ステップ配信 | |
|---|---|---|
| 起点 | 配信日時 | 友だち追加など、ユーザーごとの条件 |
| 届き方 | その時点で設定した対象へ、同じ内容を配信 | 条件成立後、設定した順序・タイミングで自動配信 |
| 向いていること | 見学会・イベント・近況など、その時点で知らせたい情報 | 登録後など、一定の流れで届けたい情報 |
例えば、登録後にあらかじめ決めた情報はステップ配信で届け、開催日が決まった見学会や会社の近況など、その時点で知らせたい情報は一斉配信で届ける、という使い分けがあります。
住宅購入者は、資料請求やSNSで会社を知ってから問い合わせに至るまで、長い期間をかけて非線形に検討を進めます。すぐには相談や来場へ進まない見込み客に対しても、登録後に届ける情報と順序をあらかじめ設定できるのがステップ配信の特徴です。
ステップ配信の目的を先に決める
シナリオを組み始める前に決めておきたいのが、この配信で、登録後に何を伝え、どの案内まで届けるのかという目的です。目的が定まらないままメッセージを並べると、情報と案内の関係が分かりにくくなります。
目的は、登録のきっかけによって変わります。次のように、「誰が・どんな状態で登録したか」から、届けたい流れの目的を先に決めると、シナリオの中身を選びやすくなります。
| 登録のきっかけ | 登録直後の関心 | シナリオの目的(例) |
|---|---|---|
| 資料請求から登録 | 情報収集の段階 | 家づくりの進め方を案内し、希望者が見学会・個別相談を確認できる状態にする |
| 見学会・イベントから登録 | 実物を見た直後 | 当日の振り返りと次の検討材料を届け、希望者が再来場・相談を確認できるようにする |
| SNS・Webから登録 | 会社に関心を持った段階 | 会社の考え方や事例を伝え、希望者が資料請求・見学会を確認できるようにする |
1本のシナリオで複数の目的を同時に追うと、案内の流れが分かりにくくなることがあります。登録経路ごとに分けられる場合はシナリオを分け、難しい場合は、まず一つの主要な目的を決めます。なお、SNS・動画・Webを含めた追客・フォロー導線の全体像は住宅会社の集客導線で扱っています。ステップ配信は、その導線のうちLINE内の一区間を自動化する手段だと捉えると、目的を決めやすくなります。
シナリオの組み立て方|順序・内容・タイミング
目的が決まったら、そこへ向けてメッセージを組み立てます。組み立ては、順序(どの流れで)・内容(何を)・タイミング(いつ)の3点で考えると整理しやすくなります。
順序:検討の進み方に沿って並べる
登録直後にいきなり見学会の予約をお願いするより、順序を意識して並べると、受け取る人が流れを追いやすくなります。例えば、「登録のお礼・配信内容の案内 → 判断材料となる情報 → 希望者向けの見学会・相談案内」という順序があります。最初のメッセージでは、登録のお礼と、今後どのような情報を届けるのかを案内します。
内容:案内だけでなく、判断材料を挟む
見学会や相談の案内だけが続くと、受け取る人にとって必要な情報が少なくなる場合があります。そのため、案内の合間に、家づくりを考える際の判断材料になる情報も組み合わせます。これらは、すでに公開している記事・施工事例・お客様の声から、LINEで伝える要点を短くまとめ、詳しい内容はWebページへ案内する方法もあります。
- 費用・お金の考え方:予算の立て方や費用の内訳など(費用・価格コンテンツを短くまとめて)
- 施工事例:近い条件の事例を1邸ずつ(施工事例活用の素材を展開)
- お客様の声:実際に建てた施主の体験(お客様の声の活用から)
- 希望者向けの案内:見学会、個別相談、追加資料などの案内
タイミング:登録からの経過に合わせて間隔をあける
メッセージを短い間に続けて送ると、受け取る側の負担になりやすくなります。最初に登録のお礼や今後届く内容を案内し、その後は、情報量や目的に応じて間隔を設定します。配信の間隔や本数に、決まった正解はありません。自社で無理なく用意・更新できる範囲で組みます。以下はシナリオの順序をイメージするための一例であり、推奨頻度を示すものではありません。
| ステップ | タイミング(例) | 届ける内容(例) |
|---|---|---|
| 1通目 | 登録直後 | 登録のお礼/この配信で届く内容の案内 |
| 2通目 | 数日後 | 家づくりの進め方や、費用の考え方 |
| 3通目 | 1週間ほど後 | 近い条件の施工事例/お客様の声 |
| 4通目 | さらに後日 | 見学会・個別相談など、希望者向けの案内 |
この例は流れを示すためのもので、本数やテーマは登録のきっかけと目的に合わせて入れ替えます。まず短いシナリオから始め、反応を見ながら本数や内容を調整していく進め方もあります。
配信して終わりにしない|運用と見直し
ステップ配信は、設定したシナリオに沿って自動で配信されます。ただし、見学会情報や施工事例などは時間とともに古くなることがあります。組んだ後も、配信結果を確認しながら、文面・順序・間隔・情報の内容を見直すことを運用に含めます。
- 反応を確認する:配信結果やクリックなどの反応、友だち数・ブロック数の推移など、確認できる指標を見る。特定のメッセージが原因と決めつけず、文面・順序・タイミングを見直す材料にする
- 変更した箇所を記録する:反応が薄いメッセージの文面や順序、間隔を見直すときは、変更した箇所と変更前後の状態を記録し、何を変えたか分かるようにする
- 情報を更新する:見学会の案内や事例が古くなっていないかを定期的に確認し、差し替える
あわせて考えておきたいのが、個別対応と自動配信の重なり方です。質問や相談が来た場合は、まずその内容へ個別に回答します。その後も自動配信を続けるかは、シナリオ内容と利用している機能に応じて決めます。利用している機能で除外・分岐が可能かを確認し、個別対応と自動配信の内容が食い違わないようにします。本記事では、個別のKPI設計までは扱わず、配信後に確認・見直す運用までを扱います。
配信の同意と個人情報への配慮
ステップ配信は自動で続く仕組みだからこそ、受け取る人が自分の意思で登録できる状態を前提にします。運用するときは、次の点をあらかじめ確認しておきます。
- 登録は任意にする:見学会参加や資料請求など、本来LINE登録が必須ではない手続きと組み合わせる場合は、友だち追加を任意とし、追加しないことで不利益が生じるような案内にしない
- 受信を停止できる状態にする:LINE公式アカウントをブロックすれば、そのアカウントからのメッセージ配信を止められることを前提に運用する
- 頻度に配慮する:一度に複数の案内を重ねず、各メッセージの目的と情報量を確認したうえで配信間隔を設定する
- 個人情報の扱いを決める:LINE上のやり取りやフォーム連携などで、氏名・メールアドレス・希望条件などの情報を追加で取得する場合は、取得する項目・利用目的・社内で扱う範囲を整理する
また、LINE公式アカウントの機能・配信条件・料金・利用ルールは変更されることがあるため、実際に設定するときはLINEヤフーの最新の公式マニュアル・規約・ガイドラインを確認します。個人情報を取得・利用する場合は、自社のプライバシーポリシーや関連法令も確認してください。なお、ステップ配信で送信するメッセージも、配信通数の対象になるため、契約プランと配信数も確認しておきます。
ステップ配信では、まず配信の目的と順序を決め、その後も配信内容・設定・情報の古さを確認します。同意や個人情報の扱い、配信量にも配慮しながら運用します。
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よくある質問
Q. ステップ配信は何通くらい用意すればいいですか?
A. 通数に決まった正解はありません。まず、登録後に何を届け、どの案内まで含めるシナリオなのかを決めます。そのうえで、登録のお礼、判断材料となる情報、希望者向けの案内など、必要な内容だけを組みます。短いシナリオから始めて、運用後に追加・変更する方法もあります。
Q. 一斉配信とステップ配信は、どう使い分ければいいですか?
A. どちらか一方を選ぶものではありません。例えば、登録後にあらかじめ決めた情報はステップ配信で届け、開催日が決まった見学会案内や近況など、その時点で知らせたい情報は一斉配信で届ける、という使い分けがあります。ステップ配信は登録日を起点に順番に届き、一斉配信はその時点で設定した対象へ同じ内容を届ける、という違いをふまえて組み合わせます。
Q. 配信する内容が思いつきません。
A. ゼロから作らず、すでにある費用の解説・施工事例・お客様の声などを、配信向けに短くまとめて展開する方法があります。案内だけでなく、費用・施工事例・お客様の声など、家づくりを検討するときに確認できる情報も組み合わせます。
Q. 配信の途中で質問が来たら、どうすればいいですか?
A. 質問や相談が来た場合は、まず個別に回答します。その後もステップ配信を続けるかは、シナリオ内容と利用している機能に応じて判断します。個別対応と自動配信の案内が食い違わないよう、条件分岐や除外設定が利用できるかを確認し、社内の運用ルールを決めておきます。
まとめ
ステップ配信は、登録を起点に、用意したメッセージを自動で順番に届ける配信です。登録後に届ける情報と順序をあらかじめ設定できるため、登録時期が異なる人にも、設定した流れで情報を届けられます。
作り方の要点は、配信の目的を先に決め、順序・内容・タイミングでシナリオを組み、案内だけでなく判断材料を挟むこと。そして、組んで終わりにせず、反応を見て見直し続けることです。登録は任意で、いつでも受け取りを止められる状態を前提に、配信頻度と個人情報の扱いに配慮して運用します。
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- 登録後に届ける配信シナリオが決まっていない
- 何を・どの順番・タイミングで届けるか整理できていない
- ステップ配信を設定した後の見直し方が決まっていない
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