最近では、多くの企業がリード獲得や育成の手段としてウェビナーを活用しています。
しかし、「開催して終わり」では、次の成果につながりません。
ウェビナーは他のマーケティング施策と同じく、効果を分析し、改善を繰り返すことで成果が高まる施策です。
本記事では、ウェビナー運営で押さえるべき6つの分析指標と、それぞれの改善ポイントを紹介します。
ウェビナーの分析で見るべき指標とは?
ウェビナーの効果を正しく把握するには、目的に応じた指標を設定することが重要です。
ここでは、主に「集客フェーズ」と「開催後フェーズ」に分けて、分析すべき6つの指標を整理します。
集客
ウェビナーの成功は、集客段階でどれだけ質の高いリードを獲得できるかに左右されます。集客施策で確認すべき4つの指標から見ていきましょう。
1:開封率
【算出方法】
開封数÷配信数
リードジェネレーションを目的とする場合には、メール配信ツールやマーケティングオートメーションツールを用いて既存リードにウェビナー告知のメルマガを配信します。
まずはメールを開封してもらうことがウェビナー申込を獲得するためのファーストステップです。そのため、既存リード向けの集客でメルマガを配信した場合には開封率を分析する必要があります。
既存リード向けのウェビナー告知メルマガで、開封率が概ね30%を下回るような場合には、下記の工夫が必要になります。
●タイトルを工夫する
すでに多くの企業がウェビナーを開催しているので、既存リードは日々多くのウェビナー告知メルマガを受け取っています。そのため、ありきたりなタイトルでは既存リードに開封してもらえません。
ウェビナーの内容を端的に示したタイトルにすることで開封を促しましょう。
【メルマガのタイトル例】
・ウェブ集客で必須の無料ツール3個の操作・設定を画面共有で解説するウェビナーを開催
・15分でわかる!「infoメール配信」で月5件の商談を獲得した方法【ウェビナーのご案内】
●送信元
メルマガを配信している企業の中には、info@〜で始まるメールアドレスを送信元にして表示名を会社名にしているケースが珍しくありません。
しかし、このような送信元を指定したメールは開封率が低い上に、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう可能性も高いです。
そのため、開封率が低い場合には個人メールアドレスと個人名を送信元にしてメールを配信しましょう。
NG:
・送信元メールアドレス:info@〇〇.co.jp
・送信元名:株式会社〇〇
OK:
・送信元メールアドレス:yamada@〇〇.co.jp
・送信元名:山田太郎
2:クリック率
【算出方法】
●メルマガ配信の場合
- クリック数÷配信数
●リードジェネレーション系の施策の場合
- クリック数÷表示回数
リードジェネレーションを目的にする場合には、主に下記のような集客施策を実行します。
- ウェブ広告を出稿する
- プレスリリースを配信する
- ウェビナーポータルサイトで告知する
これらの施策は、基本的には自社サイトに設置したウェビナー申込ページへの流入を獲得することが第一の目的となります。
その効果は、クリック率で分析することができます。
広告やプレスリリースなどの表示回数に比べてクリック率が低い場合には、ウェブ広告やプレスリリースを見た人が興味を持ってくれなかったということになります。
したがって、ウェブ広告やプレスリリースなどに掲載するウェビナーのタイトルや概要を刷新する必要があります。
一方で、「1:開封率」でも述べたように既存リード向けにメルマガを配信する場合にも、本文中にウェビナー申込ページへのリンクを設置します。
そのため、メルマガ配信においては開封率と並んでクリック率も重要な分析指標になります。一定の割合で開封されているものの、クリック率が低いという場合には下記のような工夫が必要です。
- 申込ページへのリンクボタンの数を増やす
- 申込ページへのリンクボタンのメッセージを「ウェビナーの詳細を見る」「ウェビナーに申し込む」といった形でメルマガ開いたリードを主語にした場合のアクションを示したものにする
- ウェビナーの内容をより詳しく解説して申込への動機付けを図る
3:申込率
【算出方法】
- 申込数÷申込ページへの流入数
ウェブ広告やメルマガ内のリンクをクリックしてウェビナー申込ページを訪れた人が、全員ウェビナーに申し込んでくれるわけではありません。
そこで、クリック数やメルマガの配信数を母数として、申込率を確認することもウェビナーの効果分析では欠かせません。
ウェビナーの申込率が低い場合には、ウェブ広告のクリエイティブやメルマガを読んで興味を持った人に対する申込への後押しが十分ではないということになります。
とはいえ、申込に至らない理由は様々です。そのため、下記のような項目を中心に分析・改善を繰り返しながら申込率向上につながる勝ちパターンを見つける必要があります。
(パターンその1)
・仮説:開催時間が長すぎるために申込に至っていない
・改善策:開催時間を30分程度に短縮する
(パターンその2)
・仮説:開始時刻が遅すぎる/早すぎるので申込に至っていない
・改善策:開始時刻を繰り上げる/繰り下げる
(パターンその3)
・仮説:申込フォームの項目数が多すぎるので申込に至っていない
・改善策:「メールアドレス」「氏名」「企業名」といった最低限の項目だけ入力してもらうようにする
(パターンその4)
・仮説:ウェブ広告やメルマガでの案内と申込ページの記載内容が一致していない
・改善策:流入元と申込ページの記載内容を一致させる
4:申込獲得単価
【算出方法】
- 投下コスト÷申込数
ウェブ広告を出稿したり、外部メディアにプレスリリースを出稿する場合には広告費が発生します。これらのペイド系施策を行った場合には、施策単位でリード獲得単価を算出する必要があります。
その上で、獲得単価が低くコストパフォーマンスに優れた施策を見つけ出すことで、費用対効果を最大化していく必要があります。
当日/開催後
開催後のフォローこそが、ウェビナーをリード獲得施策として成功させるカギです。ここからは、開催後に見るべき2つの指標を紹介します。
5:参加率
【算出方法】
- 参加者数÷申込者数
開催場所や開催時期、当日の天候などにもよりますが、オフラインでのセミナーの参加率は60%程度と言われています。
ウェビナーについても、概ね60%程度の参加率を一つの目安としておくと良いでしょう。
特に新規リード獲得を目的とする場合には、申込の時点でリードを獲得しているのでその後の参加率はあまり気にしなくても良いように思われます。
しかし、マーケティング・セールス活動全体で見ると、獲得したリードをナーチャリングしてアポ獲得や受注につなげていく(売上を創出する)ことが求められます。そのため、やはり参加率を分析することも欠かせません。
参加率が低い場合には、下記のような対策を講じましょう。
- 申込から開催当日までに複数のステップメール複数のステップメールを配信してリマインドを行う
- 参加者限定特典を設ける
- 開催時間を30分程度に短縮して参加しやすくする
6:アポ獲得率
【算出方法】
- アポ獲得数÷申込者数
ウェビナーで多くの参加者を集めてもその後のアポ獲得や受注につながらなければ本末転倒です。
そのため、ウェビナー開催後にはサンクスメールの送信やインサイドセールスによる架電、ホワイトペーパーの送付などを通じて参加者をフォローする必要があります。
そして、ウェビナー開催後のこのようなフォローによる効果はアポ獲得率で分析するようにしましょう。
ウェビナー効果を改善につなげる3つのステップ
6つの指標を把握したら、次はそれをもとに施策を改善していく段階です。ここでは、ウェビナーの成果を高めるための3つのステップを紹介します。
① 分析結果を整理する
まずは、開封率・クリック率・申込率・参加率など、フェーズごとの数値を一覧化します。
スプレッドシートなどに過去回との比較を入れておくと、傾向が見えやすくなります。
② 課題の仮説を立てる
次に、数値の変化をもとに「なぜ結果が出なかったのか」を仮説化します。
たとえば「申込率が低い=LPの訴求が弱い」「参加率が低い=リマインド不足」など、要因を具体的に言語化しましょう。
③ 改善策を実行・MA連携で自動化する
仮説をもとに改善策を1つずつ実行します。ウェビナーの場合、MA(マーケティングオートメーション)ツールと連携し、
リマインドメールやフォロー施策を自動化すると、改善効果を継続的に検証できます。
数値を確認しながらPDCAを回し、次回のウェビナー企画へ反映させていきましょう。
このサイクルを継続することで、単発施策だったウェビナーを「成果を生み出す仕組み」に変えていくことができます。
ウェビナーの分析でよくある質問
- ウェビナーの効果をどのくらいの頻度で分析すべきですか?
-
開催ごとに必ず分析しましょう。特に集客経路・申込率・参加率の3つは、回を重ねるごとに比較することで改善の方向性が見えてきます。
- 分析ツールがなくても実施できますか?
-
ExcelやGoogleスプレッドシートでも十分可能です。
初期段階では「開封率」「クリック率」「申込率」「参加率」などの主要指標だけでもOKです。 - ウェビナーの分析結果をどう活用すればよいですか?
-
改善だけでなく、ホワイトペーパーや次回施策のテーマ選定に活かすのがおすすめです。
分析内容を可視化して社内共有することで、マーケティング全体の精度も向上します。
ウェビナーマーケティングの戦略策定・施策実行はリードレにお任せ!
今回は、ウェビナーの効果を分析する際に見るべき6つの指標を解説してきました。そして、ウェビナー開催後のアポ獲得率向上のために欠かせないコンテンツがホワイトペーパーです。
ウェビナー開催後には、メールで資料ダウンロードを促すことが有効です。一方で、ウェビナーを開催している企業の中には「当日使用したプレゼン資料」をそのままダウンロード資料として活用しているケースが少なくありません。
プレゼン資料は、説明する内容を視覚的に補足するために作られていることがほとんどです。そのため、参加した担当者が後から内容を振り返ることはできても、参加していなかった方がプレゼン資料から当日の内容を十分に理解することは難しいでしょう。
このことから、決裁者がウェビナーに不参加の場合、プレゼン資料によって自社の特長やメリットをアピールする機会を失っている可能性があります。こうした課題を解消するためには、ウェビナーの内容をまとめ、説明や補足がなくとも完結するようなホワイトペーパーをダウンロード資料として設置することが有効です。
リードレでは、このようなホワイトペーパーの制作をはじめ、様々な接点で獲得したリードのナーチャリング(育成)をご支援しています。
ウェビナーマーケティングの実践をお考えの方は、ぜひリードレまでお問い合わせください。
