コンテンツマーケティングのKPIとは? 成果を出すための7つの基本指標+3つの営業指標【BtoB企業向け】

「とりあえず、時間があるときにSEOコラムを作って自社ブログで公開している」
「最近よく耳にするホワイトペーパーというものを、とりあえず1本作ってみた」

このような形で、明確な目標がないままコンテンツマーケティングを実践しても、成果を出すことは非常に困難です。

他のビジネス活動と同様、コンテンツマーケティングの実践にあたっても、KPIとして具体的な評価指標を設定し、PDCAを回すことが不可欠です。

そこで本コラムでは、コンテンツマーケティングで押さえるべき「7つの基本指標」と「営業成果を見る3つの追加指標」を解説していきます。

▼コンテンツマーケティングの基本について知りたい方は、まず下記をご一読ください。

目次

BtoBのコンテンツマーケティングにおけるKPIとは?

コンテンツマーケティングの取り組みを継続して改善するためには、具体的な数値指標=KPIを設定することが欠かせません。ここでは、KPIの意味とBtoBにおける特徴を整理します。

KPIを設定する意味

コンテンツマーケティングを「とりあえず進めている」状態では、効果を判断する基準がなく、成果も上がりにくくなります。そこで必要となるのがKPI(重要業績評価指標)です。

KPIを設定することで次のような効果が得られます。

  • 成果を客観的に数値で把握できる
  • 社内の共通言語となり、経営層や営業部門にも説明しやすくなる
  • 改善点が明確になり、PDCAを継続的に回せる

このように、KPIは単なる数字のチェックではなく、施策を成功に導くための“羅針盤”の役割を果たします。

BtoBマーケティングにおける特徴(リード獲得から商談・受注へ)

BtoB企業に向けたコンテンツマーケティングは、BtoCのように購買行動が即決されるケースは稀です。

商材の選定から導入・受注までには3〜6ヶ月、場合によっては1年を要することも珍しくないため、評価の視点にも特徴があります。

具体的な見込み客の行動は、次のようなものです。

【BtoB企業における主な見込み客の行動】
1. 記事やホワイトペーパーをきっかけに見込み顧客がサイトを訪問
2. フォーム入力やダウンロードでリード情報を獲得
3. 営業部門がフォローし、アポ獲得や商談へ発展
4. 受注に至り、売上として成果を評価

このように、BtoBでは「集客 → リード獲得 → 商談 → 受注」の流れ全体を見据えてKPIを設計する必要があります。そのため、マーケティング指標と営業指標を組み合わせることで、初めて本当の成果を測ることができるようになります。

BtoBのコンテンツマーケティングで指標とすべき7個のKPI

コンテンツマーケティングの効果を測るうえで、最初に見るべき基本的なKPIを3つの観点に分けて整理します。

集客を測る指標

まずは「どれだけ見込み顧客にリーチできているか」を把握するための指標です。サイト流入の規模感を知ることで、次の改善アクションを考えやすくなります。

1:ページビュー数(PV数)、表示回数

コンテンツマーケティングで最も基本的な指標がPV数です。Googleアナリティクス4(GA4)では「表示回数」と呼ばれます

1人のユーザーが複数のページを閲覧した場合、それぞれがカウントされます。たとえば1人が「トップページ → コラム記事 → お問い合わせページ」と移動した場合は、合計で3回分としてカウントされます。

この数値を追うことで「どの記事がよく読まれているか」「流入が増えているか」を把握できます。ただし、これはあくまで入り口の指標であり、問い合わせや資料ダウンロードといった成果とは直接結びつかない点に注意が必要です。成果との関係を見るためには、後述する指標と組み合わせることが大切です。

2:セッション数

セッション数は、ユーザーがサイトを訪問してから一定時間内に行った一連の行動をまとめたものです。

例えば「検索から記事を読む → サービスページを見る → 資料をダウンロード」までが1セッションとしてカウントされます。

セッション数は「訪問単位」での流入量を測れるため、広告やSEOの効果を評価するのに役立ちます。PV数と比較することで「訪問ごとの閲覧ページ数」や「滞在の深さ」を読み解くことも可能です

3:ユニークユーザー数(UU数)

ユニークユーザー数(UU数)は、一定期間にWebサイトを訪問したユーザー数を示す指標です。同じ人が何度アクセスしても1ユーザーとしてカウントされるため、「実際にどれだけの人に届いているか」を把握できます。

Googleアナリティクス4(GA4)では「ユーザー数(Users)」という名称に置き換えられており、初めて訪問した人だけを示す「新しいユーザー(New Users)」とは区別されています。

BtoBでは、新規の見込み顧客に認知してもらうことが成果につながる第一歩です。そのため、UU数(ユーザー数)の増減は認知拡大を測る上で有効な指標となります。

成果を測る指標

集客が向上しただけでは成果を上げたとは言えません。BtoBでは「どれだけリードを獲得できたか」「商談につながるアクションを生み出せたか」が重要です。その状況を測る代表的な指標がコンバージョンです。

4:コンバージョン数(CV数)

コンバージョン数(CV数)は、Webサイト上で発生した成果アクションの件数を示します。

BtoBの例では、以下のような行動が典型的なCVにあたります。

  • 資料請求フォームの送信
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • セミナー・ウェビナーの申込
  • 製品・サービスに関する問い合わせ

CV数は「マーケティングがどれだけリードを生み出したか」を直接表す指標です。記事や広告で集客できてもCV数が増えていなければ、ビジネス成果につながらないと判断できます。

5:コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR)は、サイト訪問者のうちどれだけがコンバージョンに至ったかを示す割合です。

算出方法は「CV数 ÷ PV数」「CV数 ÷ セッション数」など分母をどう設定するかで変わります。

CVRを追うことで「集客の量ではなく質」を測れます。たとえばアクセスは多いのにCVRが低い場合は、記事内容と問い合わせフォームやダウンロード資料の関連性が弱い、フォームが使いにくいなどの課題があると考えられます。

BtoBでは「記事閲覧から資料ダウンロードにつながった割合」など、営業成果と直結する形でCVRを設定するのが有効です。

改善につなげる指標

コンテンツは公開して終わりではなく、改善を積み重ねることで成果が伸びていきます。そのために役立つのが、ユーザーの行動や制作体制を可視化する指標です。

6:回遊率

回遊率は、1回の訪問で平均して何ページ閲覧されたかを示す指標です。

ユーザーが複数のページを見ている場合、そのサイトの情報に価値を感じていると判断できます。

BtoBでは「コラム記事 → 導入事例 → 資料請求ページ」というように、次のアクションに誘導する設計が効果的です。回遊率を高めることで、問い合わせや資料ダウンロードにつながる確率も高くなります。

7:コンテンツ制作本数

コンテンツ制作本数は、単位期間あたりのコンテンツ制作本数を示した指標です。

言うまでもなく、コンテンツマーケティングの実践にあたってはSEOコラムやホワイトペーパー、メルマガといったコンテンツ制作が欠かせません。

しかし、「他の業務が忙しくなった」といった理由でコンテンツ制作は何かと後回しになってしまいがちです。

そこで、コンテンツマップの作成などを通じてコンテンツ制作の全体感を可視化したうえで、「今月はSEOコラムを5本制作する」「上期はホワイトペーパーを3本制作する」といった形で制作本数を指標とすることが重要です。

営業成果を見るための3つの追加指標

BtoB企業では、せっかく集めたリードが商談や受注につながってこそ成果といえます。マーケティングだけでなく、営業側のKPIも視野に入れて確認していきましょう。

1:アポ獲得件数/獲得率

アポ獲得件数は、マーケティング活動で得たリードが営業部門のアポイントにつながった数を示します。
さらに「問い合わせ数のうち何件がアポにつながったか」という獲得率を見ると、リードの質を把握できます。

例えば、資料ダウンロードが100件あっても、アポに至ったのが10件ならアポ獲得率は10%です。数字を追うことで「リードの精度が高いのか」「営業への引き渡しに改善余地があるのか」が見えるようになります。

2:受注件数/受注率

受注件数は実際に契約・発注に至った数を、受注率は商談のうち受注に至った割合を示します。この数値を追うことで、マーケティングと営業の成果を最終的に測ることができます

受注率が低い場合は、営業提案のプロセスに課題がある可能性がありますし、逆にマーケティング側で適切な見込み顧客を集められていないケースも考えられます。

「どの商材・どの業界で受注率が高いか」を分析すれば、次の施策の優先順位を決める参考になります。

3:受注単価

受注単価は、名称のとおり、1件あたりの契約金額を示す指標です。

BtoBでは「単価の高い顧客層を狙う」「既存顧客へのアップセルを強化する」といった戦略に直結するため、マーケティング施策の効果を正しく評価するうえで欠かせません。

アポ獲得・受注といったセールス側の指標も加味してコンテンツマーケティングを評価しよう!

ここまで解説したとおり、コンテンツマーケティングは記事数やアクセス数を増やすだけでは十分ではありません。7つの基本指標と3つの営業指標を組み合わせることで、初めて「営業成果につながる施策」として効果を正しく評価できます。

株式会社リードレでは、BtoB企業に特化したノウハウをもとに、戦略設計からコンテンツ制作、KPI設計・改善サイクルの運用まで一貫してご支援しています。マーケティング活動を成果につなげたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

リードレのサービスについて詳しく知りたい方は、下記よりサービス資料をダウンロードください。

この記事を書いた人

出版社から業界団体という、異色のキャリアを経てBtoBマーケターに転身。IT・メディアから製造業・サービス業まで、多岐にわたるコンテンツ制作経験で得た知見を基に、細部まで一貫性を持った提案・支援を行う。

目次