「ホワイトペーパーを作りたいけど、社内で書ける人がいない」
「何から始めていいかわからず、半年以上手が止まっている」
こうしたお悩みをきっかけに、制作代行サービスの活用を検討する企業が増えています。しかし、一口に制作代行サービスといっても、費用感や進め方は運営会社によってさまざまで、情報収集には手間がかかります。
そこで本記事では、ホワイトペーパーの制作代行サービスを検討中の企業様向けに、以下のポイントを網羅的に解説します。
• 制作代行のメリット・デメリット
• 制作の流れや納期の目安
• 気になる費用相場
• 制作会社を選ぶ際のチェックポイント
初めてのホワイトペーパー制作を「外注すべきか」「どう依頼すべきか」にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
ホワイトペーパーの基本をおさらい
BtoC商材と比較して、認知から発注までの期間(リードタイム)が長いBtoB商材では、いかに早期に見込み客と接点を作ることができるかがWebマーケティング上の重要なポイントです。
ホワイトペーパーは、こうした見込み客の氏名や会社名、メールアドレス等の情報を獲得するために有効な施策のひとつです。見込み客が興味を持つ内容のホワイトペーパーを設置し、ダウンロードしてもらう際に見込み客の情報をフォーム入力してもらうことで、それらを活用したメール配信やインサイドセールスなど、別の施策を展開できるようになります。
このようにホワイトペーパーは今やWebマーケティングを進める上で不可欠な存在ですが、デメリットもあります。それは、完成までに時間がかかることです。
社内にコンテンツ制作に長けた人材がいる場合はあまり問題にならないものの、マーケター不在の企業や「ひとりマーケター」の企業では、他の業務との兼ね合いから、制作に着手したとしてもスムーズに完成まで漕ぎ着けられるケースは少ないです。
そこで検討しておきたいのが、ホワイトペーパーを内製するのか、外注するのか、という点です。ここからは、内製・外注のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
ホワイトペーパーは「内製」と「外注」どちらがいい?
ホワイトペーパーの「内製」と「外注」にはそれぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがいいと言い切ることはできません。以下に記載するメリット・デメリットを踏まえ、自社の状況に合った選択をしましょう。
内製する場合のメリット
ホワイトペーパーを内製する際の最大のメリットは、自社に蓄積された知見(業界事情や顧客課題、自社商材の強みなど)を内容に落とし込みやすい点です。
そのため、ダウンロードしてくれた方に、より自社が伝えたい情報を訴求することができます。
また、社内の人員を活用することで、外注する場合と比較してコストを抑えられる点も大きなメリットです。内製であれば限られたマーケティング予算の中でも、ホワイトペーパーを活用した取り組みを展開することができます。そのため、「まずは自社で作ってみよう」と検討する方も多いです。
内製する場合のデメリット
自社に蓄積された知見があったとしても、それらを適切に読み手に伝えるためには、ホワイトペーパーの構成や文章、デザインが、伝えたい内容に沿っていることが重要です。
一方で、そうしたスキルに強みを持つマーケティング担当者が社内にいない場合、構成・ライティングに時間がかかるだけでなく、制作中の手戻りも多くなりがちです。多くの場合、マーケティング担当者は他の業務も進めつつホワイトペーパー制作を進めることになりますので、「着手から2〜3ヶ月経ったけど、まだ完成していない…」といった状況が少なくありません。
特に、初めてホワイトペーパーを作る企業では、品質確保の面で内製はハードルが高くなりがちで、それが制作のスピードに大きく影響を及ぼします。
外注する場合のメリット
当然ながら、制作代行会社はホワイトペーパー制作に関する知見とノウハウ(構成力やライティング力、デザイン力など)があります。そのため、テーマさえ決まってしまえば、ホワイトペーパーをスピーディに完成させることができます。
また、目的やターゲットに沿った作り込みができるので、マーケティング上、効果が出やすいホワイトペーパーが期待できます。
外注する場合のデメリット
ホワイトペーパーを外注する場合には、依頼する制作代行会社や、ページ数にもよっても異なりますが、概ね1本あたり20〜50万円の費用がかかります。依頼する場合には、本数に応じた費用をあらかじめマーケティング予算として確保しておく必要があります。
また、外注する場合でも「制作代行会社に全てお任せ」というのはオススメできません。依頼するホワイトペーパーに関連する業界知識を持つ制作代行会社だったとしても、ターゲットの課題感や自社商材の強みなどを落とし込んでおかなければ、それらが読者に伝わりづらくなってしまうおそれがあります。
このように、ターゲットの課題や自社商材の強みを制作代行会社に伝えるためのミーティングや情報提供などに社内工数がかかる点も、外注する場合のデメリットのひとつと言えるでしょう。
内製すべき企業、外注すべき企業
上に挙げたメリット・デメリットを踏まえると、内製するか、外注するかは、次のような判断基準をもとに決めると良いでしょう。
内製がおすすめなケース
- 社内に、文章作成やデザインが得意な担当者がいる
→ 広報や営業資料の制作経験があるメンバーがいれば、基礎的なアウトラインやスライドの整え方がスムーズです。 - すでに構成案やテーマがある程度明確になっている
→ 「誰に何を伝えるのか」が決まっていれば、あとは整理と表現の問題だけなので、取り組みやすくなります。 - 過去にセミナー資料や営業資料を作成した経験がある
→ これらをベースに再編集する形でホワイトペーパー化すれば、ゼロから作るよりもはるかに楽に進められます。 - 制作にある程度まとまった時間を割ける担当者がいる
→ コンテンツ制作は想像以上に工数がかかります。専任に近い形で取り組める体制があると、内製でもクオリティが保てます。
外注がおすすめなケース
- 初めての制作で、ノウハウがまったくない
→ 成功事例を知っているパートナーに任せることで、成果が出やすい形に整えられます。 - 営業やマーケティング業務と兼務しており、手が回らない
→ 制作だけでなく企画・設計から支援してもらうことで、リソース不足でも実現可能です。 - 今すぐ成果につながるホワイトペーパーが必要
→ プロの知見により、訴求力のあるコンテンツをスピード感を持って作成できます。
内製 | 外注 | |
メリット | コストを抑えやすい 社内の知見を活かせる | スピードが出る 品質が安定する |
デメリット | スキルが必要 進行が遅れることが多い | 費用がかかる 打ち合わせ工数が発生する |
向いている企業の特徴 | コンテンツ制作経験がある 時間的余裕がある | はじめて制作する 他業務の兼務でリソース不足 |
【外注する場合】ホワイトペーパー制作代行の流れ
内製か、外注かを検討するにあたって「外注した場合のホワイトペーパー制作代行の流れが分からないと決められない」という方もいらっしゃるでしょう。ここでは、一般的な制作代行の流れをSTEP別に解説します。

STEP1 ヒアリング→テーマの決定
まず、ホワイトペーパーの目的などを制作代行会社に伝えます。あらかじめイメージがある場合には、それを制作代行会社に伝えておきましょう。
多くの場合、制作代行会社がヒアリングのテンプレートを用意しているので、それに沿って、目的やターゲットの属性・課題感、自社商材の強みなどを伝えれば問題ありません。
また、明確なイメージがない場合であっても、Webマーケティングに精通した会社であれば、自社の状況に応じて制作すべきホワイトペーパーを提案してくれるので、心配する必要はありません。
営業資料やサービス資料、提案資料なども共有しておくようにしましょう。
STEP2 ページ割・構成案の確認
STEP1で固まったホワイトペーパーに沿って、制作代行会社がページ割や、各ページに入る要素を提案してくれます。
イメージが違う場合には、この段階ではっきりと伝えて修正してもらうようにしましょう。ライティングやデザインが進んだ後では、修正に時間がかかってスケジュール通りの納品が難しくなるおそれがあります。
中にはスピード重視で、構成案などを飛ばして一気に原稿・デザインが提出されるケースもありますが、その場合、初めからイメージ通りのものが出てこない可能性と、その修正にかかるスケジュールを考慮しておきましょう。
STEP3 原稿の確認
構成案に沿ってライティングが進みますので、提出された原稿を確認していきましょう。
原稿に伝えたい内容が含まれているかを確認するのはもちろん、ターゲットとなる読者に伝わりやすいような文章となっているかどうかもチェックすることが重要です。
BtoB商材とBtoC商材では、読み手の属性が大きく異なります。例えば、BtoC商材では「今すぐゲットしましょう!」といった表現も違和感はありませんが、社内稟議なしでは導入を決めることのできないBtoB商材では「今すぐ導入しよう!」と書かれても、読み手は困惑してしまいます。
もちろん、実績豊富な制作代行会社であれば、このような原稿が上がってくることはありませんが、細かいニュアンスを調整するための確認は、企業視点ではなく「読者視点」で行いましょう。
STEP4 デザインの確認
原稿のチェックが完了したら、デザインが進んでいきます。デザインの初稿が提出されると、ほぼ完成形となります。
図版やアイコン、表などが自社のイメージと合っているか、ターゲットに訴求できる内容となっているか、改めて確認しましょう。
仮にイメージが大きくずれている場合には、「なんとなく」で伝えるのではなく、自社・他社の資料やWebサイトなどを通じて、具体的に「このようにしてほしい」と伝えると、修正がスムーズに進みやすいです。
STEP5 納品
デザインの修正が完了したら、納品です。修正回数にもよりますが、ヒアリングから納品までは概ね3〜5週間程度かかると考えておきましょう。
納品形式はPDFやPowerPoint形式などが一般的で、そのままWebサイトに掲載できる状態で受け取ることができます。
なお、イラストレーターでの制作を依頼している場合には、納品形式が自社で修正可能なファイルかどうか(アウトラインあり・なし)でトラブルになるケースもあるため、発注前に必ず確認しておくようにしましょう。
納品後は、制作代行会社次第で「ダウンロードフォームの設置方法」や「効果的な活用方法(広告連携や導線設計など)」についてアドバイスを受けられることもあります。
制作代行会社を選定する際のチェックポイント
制作代行会社と一口に言っても、その特徴はさまざまで、選定に迷ってしまうケースがあります。ここでは、制作代行を依頼する際、最低限チェックしておきたい3つのポイントを紹介します。
なお、ホワイトペーパーのコストもチェックポイントの1つですが、前述の通り、概ね1本20〜50万円で、ページ数によっても異なるため、ここでは詳しく言及しません。
ポイント1 デジタルマーケティングへの理解度
ホワイトペーパーは「作ること」自体が目的ではなく、ダウンロードを促し、顧客育成や商談につなげるためのマーケティング施策の一環です。そのため、デザインや文章作成のスキルだけでなく、マーケティング全体の流れを理解しているかどうかが重要です。
例えば、以下のような提案ができる会社は信頼性が高いと言えるでしょう。
• ダウンロード後の活用方法(リードナーチャリング等)まで含めた提案
• 自社のターゲットに合わせたテーマ設計や構成案の提案
•ファネルに合わせた制作方針のアドバイス
「ただ言われたとおりに作る」のではなく、成果を見据えた提案ができるかどうかを確認しましょう。
ポイント2 BtoB商材への理解度
BtoB商材を扱うホワイトペーパー制作では、課題解決型の構成や専門性ある情報の整理力が求められます。そのため、制作代行会社側がBtoB商材のビジネス構造や意思決定プロセスを理解していることが重要です。
次のような点に着目して、実績や対応範囲を確認してみてください。
• 過去にBtoB商材(IT・製造業・SaaS・業務支援など)の資料制作実績があるか
• 顧客インタビューや技術資料をベースに構成できる力があるか
• 専門用語や業界特有の商習慣を適切に表現できるか
特に、複数の意思決定者が関与するBtoB商材では、読み手のリテラシーに合わせた分かりやすさが成果に直結します。
ポイント3 スピード感
多くの企業では、「今期中に施策を回したい」「展示会や広告出稿のタイミングに間に合わせたい」など、限られたスケジュールの中でホワイトペーパーを制作するケースが一般的です。
そのため、制作スピードも重要な判断軸となります。以下のような観点でチェックしてみましょう。
• 通常の制作スケジュール(日数)の目安が明確に示されているか
• 修正対応のスピード感や柔軟性があるか
• プロジェクト管理の進行がスムーズに行われる体制か(担当者の有無、対応のレスポンスなど)
あらかじめ納期や対応体制について確認しておくことで、想定よりも完成が遅れて施策全体に影響が出るといった事態を防ぐことができます。
なお、弊社のホワイトペーパー制作代行の場合、キックオフミーティングから最短19営業日での納品が可能です。
初めての内製で活用したい、ホワイトペーパーテンプレート
リードレでは、これからホワイトペーパーを制作しようと検討している方にご活用いただける、パワーポイント形式のテンプレートファイルをご用意しています。ファイルには15種類以上のスライドパターンがスライドマスタに保存されています。
ご興味のある方は、ぜひ下記の画像リンクからダウンロードください。ダウンロード後は、一旦すべてのスライドを削除した上で、「新しいスライド」を追加する形でのご利用をお願いします。
迷ったら、1本ずつ、どちらも試してみるのがおすすめ
どうしても内製か外注か判断しかねる場合には、上記のテンプレートを活用して内製しつつ、同時に別テーマのホワイトペーパーを1本だけ外注してみましょう。
こうすることで、スピードや内容について比較しつつ、外注するコストに見合うだけの価値があるか判断できるようになります。
はじめてのホワイトペーパー制作代行はリードレで
リードレでは、ホワイトペーパーをはじめ、コラムや事例記事など、Webマーケティングに関連する様々なコンテンツ制作をご支援しています。
また、マーケティング体制の設計・構築もご支援しておりますので、お客様の課題感に合わせて最適なコンテンツを提供することが可能です。「はじめてのホワイトペーパー制作で、どこに依頼しようか迷っている」という企業様は、ぜひ一度リードレまでご相談ください。
