2022-05-16
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ホワイトペーパー
ホワイトペーパーマーケティングの目的・効果・手順を徹底解説
本コラムでは、Webで顧客情報を獲得する手段の一つであるホワイトペーパーマーケティングについて解説します。
前半ではホワイトペーパーを作成する目的や、活用することでマーケティング活動にどのような効果があるのかを解説し、後半はホワートペーパーマーケティングの実施方法を3ステップで紹介していきます。
ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーとは、もともと政府の各省庁による社会や経済などの現状と、政府の施策についての分析・報告が記された刊行物(通称、白書)の呼称でした。
Webマーケティングにおけるホワイトペーパーの意味は、「Web上でリード(見込み客、潜在顧客)を獲得するためのダウンロード資料」です。このホワイトペーパーを活用し、リードを獲得し商談、受注につなげる一連のプロセスをホワイトペーパーマーケティングと言います。
ホワイトペーパーマーケティングの目的
ホワイトペーパーを作る目的は、リードを獲得することです。自社独自のノウハウやユーザーが抱えている課題の解消法といった有益な情報を提供する代わりに、企業はユーザーの氏名や連絡先などの情報を得ることができます。
仮にホワイトペーパーがない場合は、顧客からの「問い合わせ」が唯一の接点です。しかし、問い合わせに対して心理的なハードルが高いと感じるユーザーもいるため、途中離脱につながるおそれがあります。
そこで、ホワイトペーパーを設置することで、ユーザーの心理的なハードルを引き下げることができ、リードが獲得しやすくなります。
ホワイトペーパーマーケティングの効果
ホワイトペーパーマーケティングがもたらす効果は、リードのターゲットを絞り込める点と、ダウンロード数がある程度計算できる点です。
効果1 ターゲットを絞り込むことができる
ホワイトペーパーマーケティングは、幅広い層に向けたアプローチはもちろんのこと、ある程度ターゲット層を絞り込んでアプローチすることも可能です。その具体的な方法は2つあります。
ホワイトペーパーのタイトル・内容で絞る
1つ目は、ホワイトペーパーのタイトルと内容によるターゲットの絞り込みです。
例えば、タイトルに「人事部門の管理職様・担当者さま必見!」のようなターゲットの具体的な所属先や役職名を入れることで、欲しいターゲット層のリードを獲得につながります。
また、ホワイトペーパーの内容も「在宅勤務期間中における⼈事労務管理の代表的な4つのトラブルと解決策」といったターゲットの抱えている課題に焦点を当てることで、ターゲットの課題感と一致したリードの獲得を獲得することができます。
>>所属先や役職等に絞ったホワイトペーパーのサンプルはこちら
広告のターゲット・文面で絞る
2つ目は、Web広告のターゲットや文面によるターゲットの絞り込みです。ここでは、Web広告の一つであるFacebook広告を例に挙げて説明します。
このように、Facebook広告はメインとなる画像・動画と、それを説明する短い文章で構成されています。上の画像の広告では、「IPOを考えている経営者」にターゲットを絞り込んでいます。このようにターゲットを絞り込むことで、前項のホワイトペーパー同様に、欲しいターゲット層のリードを効率的に集めることができます。
絞り込みすぎにも注意が必要
ただし、ターゲットの絞り込みすぎには注意も必要です。ターゲットを絞れば絞るほど、自社の商材と合致したリードの獲得にはつながりますが、ダウンロード数は減り、受注のチャンスを逃してしまうおそれもあります。
これらのバランスをとることは容易ではありません。そのため、PDCAを回して自社に最適なポイントを探っていくことが重要です。
効果2 ダウンロード数が計算できる
ホワイトペーパーマーケティングがもたらす効果の2つ目は、ダウンロード数がある程度予測できることです。これは、サイトの流入数に対するコンバージョン率があまり変動しないためです。したがって、ダウンロード数の見込みを基に、目標値(KPI)の設定や戦略の立案がしやすくなります。
では、コンバージョン率を高めるためにはどうしたら良いのでしょうか?
その方法としては、ダウンロードページの改善と、サイトの流入数の増加が挙げられます。
ダウンロードページの改善
ダウンロードページは、訪れたユーザーがスムーズにホワイトペーパーを入手できるよう、なるべく簡潔しておくことが重要です。
上の画像のように、ダウンロードページにはホワイトペーパーの概要と入力フォームを設置します。
ホワイトペーパーの概要は、ファーストビュー(遷移した先のページにおいて、スクロール無しで見られる画面)で収まる文量に調整しておきましょう。文章を簡潔にすることで読み手の負担が減り、ユーザーの離脱を防止することができます。
同様に、入力フォームもできるだけ簡潔にしておくことが重要です。入力項目が多いほどユーザーの行動が煩雑になり、離脱につながりやすくなります。そのため、会社名・氏名・メールアドレス・電話番号など、必要最低限に絞りましょう。
サイトの流入数
ダウンロードページへの流入があまり多くない場合には、流入数を増やす施策を講じることが先決です。施策としては、SEO(検索エンジン最適化)対策と、Web広告の掲載が挙げられます。
SEO対策を行う
SEO対策は長期的な施策です。具体的には、検索ボリュームを意識しつつ、ターゲットのニーズを満たす上質なコンテンツを自社サイト内に増やしていきます。
加えて、検索順位を決めるアルゴリズムは変動するため、既存のコンテンツにおいても日々順位をチェックしつつ、アルゴリズムの変更に合わせた見直し・更新を行いましょう。
Web広告を掲載する
長期的な施策であるSEO対策に対して、SNS広告やリスティング広告といったWeb広告の掲載は即効性が見込める短期的な施策です。これによってサイトへの流入数増加が見込めます。
一方で、Web広告にはデメリットもあります。それは、コンバージョン率が掲載期間に応じて徐々に低下していくという点です。
広告には賞味期限があり、掲載開始からおおよそ2〜3ヶ月でコンバージョン率は低下していきます。これは、すでにダウンロードをしたユーザーにも同じ広告が表示されることや、同じ広告では目新しさがなく飽きられてしまうことが原因です。そのため、2〜3ヶ月を目安に新しいホワイトペーパーを作成し、切り替えることがおすすめです。
ホワイトペーパーマーケティングの3ステップ
こうした目的や効果を踏まえた上で、ホワイトペーパーマーケティングを実際に行っていく手順を3つのステップで紹介します。
ステップ1 ホワイトペーパーを作る
まずはダウンロードにつながるホワイトペーパーを作りましょう。ホワイトペーパーは、主に次のような流れで作成します。
・ターゲットを決める
・構成案を作成する
・テキストを作成する
・デザインを作成する
ターゲットを決める
自社の商材に適したターゲット層を設定します。例えば、「40代前半/男性/情報システム部/部長」のように、年齢や性別、所属部署・役職などを設定し、具体的な人物像を作りましょう。これは、ターゲットを具体的にすることで、それぞれの課題やニーズに合致したホワイトペーパーを作成することができるからです。
例えば、ターゲットが各部署の担当者レベルであれば業務の効率化、管理職であれば部下に対する効果的なマネジメント、経営者であれば売上や生産性の向上といったような課題を挙げることができます。 それらの課題を解決できるようなホワイトペーパーを作ることで、ダウンロードを促していきます。
構成を作成する
ホワイトペーパーは、「資料概要」、「ターゲットが抱える課題」、「解決法」、「商材の紹介」という構成で作成します。
上の画像でもご覧いただけるように、資料概要では市況感とそれに対するホワイトペーパーの目的を示します。その後に続くメインページでは、設定したターゲット像が抱える疑問や課題を提示しつつ、それらの解消法・解決法を紹介・解説します。そして最後に、自社商材が課題解決の有効なソリューションとなることを伝え、問い合わせにつなげます。
このような流れを意識して、大まかな全体の構成(ページ割り)を作成しましょう。ページ割りができたら、各ページの内容を具体的に決めていきます。ここでは、特に文法や文脈を気にせず、入れ込む要素だけを考えましょう。その際に、必要な要素が見やすく整理しやすい「箇条書き」、「である調」で書くことがおすすめです。
テキストを作成する
各ページに入れ込む要素が決まったら、テキストを作成していきます。前項の構成とは異なり、ここでは前後のページとのつながり、段落や文同士のつながりなど、文章全体の流れを意識することが重要です。 また、文脈に加えて、用語の使い方は適切か、表記揺れはないか、文量が多すぎてわかりにくくなっていないかといった点にも注意しましょう。ただし、作成者自身がこうした点すべてに気がつけない場合もあるため、テキスト作成後は、なるべく別の人にもチェックしてもらうことが大切です。
デザインを作成する
テキストができたら、デザインを作成します。全体のカラーやフォント、文字の大きさなど、ユーザーの見やすさを意識しましょう。
このように、各ページにはアイコンや図版を入れることも重要なポイントです。これは、文章ばかりでは読み手の負担が大きくなってしまい、途中離脱してしまうおそれがあるためです。図版などを入れることによって視認性(見やすさ)を高めることができるとともに、読み手の理解の促進にもつながります。
ステップ2 ホワイトペーパーの設置場所へのアクセスを増やす
ホワイトペーパーがどれだけ良いものであっても、ユーザーの目に留まらなければ意味がありません。そのため、ホワイトペーパーの設置場所にはある程度の流入数が必要です。 したがって、アクセス数が少ない場合には、前述した「サイトの流入数」を参考にSEO対策やWeb広告の掲載を行い、ページのアクセス数を増やしましょう。
ステップ3 インサイドセールスを行い、アポイントを獲得する
リード獲得後は速やかに架電を行いましょう。ダウンロードから日数が経つほどユーザーの気持ちは薄れていき、アポイントの獲得が難しくなります。そのため、できる限りダウンロードの即日に架電することが重要です。 電話口では、ホワイトペーパーのダウンロードに対してお礼を伝えつつ、課題感をヒアリングしていきます。アポイントの獲得につなげるためには、課題に合わせた提案の準備が不可欠です。そのため、課題を想定したトークスクリプトを用意してロールプレイングを実施しておき、スムーズに提案ができるようにしておきましょう。
ホワイトペーパーマーケティングを成功させるためには、マーケティング全体の最適化が不可欠
ホワイトペーパーマーケティングは、ホワイトペーパーを設置して終わりではありません。
より多くのリード獲得につなげるためには、ターゲットの設定、SEO対策、流入経路、インサイドセールスの体制についても分析・改善していく必要があります。 このように、ホワイトペーパーマーケティングを成功させるためには、マーケティング全体でPDCAを回し、最適化していくことが不可欠です。
リードレがホワイトペーパーマーケティングをご支援します
リードレは、ホワイトペーパーなどのコンテンツ制作だけでなく、マーケティング体制の設計・構築・最適化もご支援しております。
企業様へのヒアリングを通じて課題を洗い出し、最適なマーケティングをご提案することができます。これからホワイトペーパーマーケティングを始める企業様や、既存のマーケティング体制に課題を感じていらっしゃる企業様は、ぜひ一度ご相談ください。