2019-04-15
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インフォグラフィックで振り返るマーケティングの歴史
本コラムでは、マーケティングの歴史を振り返っていきます。
まずは、こちらのページでインフォグラフィックをダウンロードしていただき、参照しながら本文を読み進めていただくことでさらに理解が深まるはずです。
「マーケティング史を、ざっくりと把握しておきたい」
「マーケティング関連のネタを見つけたい」
このような方は、ぜひ最後までお読みください。
マーケティングの定義
「マーケティングとは何か?」
この問いに答えるのは、意外と難しいのではないでしょうか?
そこで、まずはマーケティングとは何かを確認しましょう。
といっても、実はマーケティングを一義的に定義付けることは困難です。
実際、次のようにマーケティングの定義は様々な形で説明されています。
(公益社団法人 日本マーケティング協会)“Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.
―マーケティングとは、顧客やクライアント、パートナー、そして社会のために価値のあるものを創出、伝達、提供、交換するための組織的な活動とプロセスである。“
(American Marketing Association 米国マーケティング協会)
“マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。
また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。”
(Wikipedia)
マーケティングというものを考えるときには、このような代表的な定義を理解した上で、全体のコンテキストからその指すところを理解するように努める必要があるでしょう。
では、このマーケティングという概念はどのような歴史を経て、今日に至っているのでしょうか?
マーケティングへの理解を深めるために、その歴史を簡単に振り返ってみましょう。
マーケティングの歴史
1900年代 米国で生まれたマーケティングという概念
マーケティングという概念は、1900年初頭に米国で生まれたと言われています。
一説によると、マーケティングという言葉が最初に世に登場したのは、1902年に発行されたミシガン大学の学報だということです。
また、1905年には、オハイオ州立大学のビジネスコースに「マーケティング」に関する科目が加わったことが記録されています。
1950年代 マーケティングが日本にも
戦後、高度経済成長の始まった1950年代、日本にもマーケティングという概念が輸入されました。
1955年には、財団法人(現:公益財団法人)日本生産性本部の米国視察団が、帰国後に、日本へのマーケティングの導入を主張したそうです。
さらに、1956年には電通が月刊「マーケティングと広告」を創刊しました。
それ以降、ビジネスに必要な新たな考え方としてマーケティングが国内でも急速に認知を高めていきました。
1960年代 マーケティングの研究と体系化が進む
1960年に入ると、米国の経済学者や経営者を中心としてマーケティングという概念の研究と体系化が進みました。
たとえば、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉教授も務めたセオドア・レビットが、マーケティング・マイオピア(マーケティング近視眼)を提唱しました。
従来当たり前に行われていた販売手法を近視眼的として指摘したことで、顧客志向のマーケティングの重要性が認知されるようになりました。
そのほか、様々なマーケティングの拡張論や戦略的マーケティングが提唱されたのもこの年代です。
1960年には、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが著書「Basic Marketing(ベーシック・マーケティング)」で、マーケティングミックスの4P(Product、Price、Promotion、Place)を提唱しました。
1969年には、フィリップ・コトラーとS.J.レビィによって、マーケティング拡張論が提唱されました。
1970~1980年代 ソーシャル、グローバル、ローカル…etc マーケティングの拡張化が進む
1970年代に入ると、マーケティングという概念の拡張化が進みます。
1970年代に「ソーシャル・マーケティング」が誕生して以降、「サービス・マーケティング」、「マクロ・マーケティング」とその概念が拡張してきました。
さらに、1980年代になるとグローバル・マーケティングやローカル・マーケティング、メガマーケティング、リレーションシップ・マーケティング、インターナル・マーケティングが誕生します。
1990年代 ウェブの発達と新たなマーケティング手法の登場
1988年、米国で商用インターネットの利用がスタートしました。
その後、先進国を中心に各国でインターネットの利用が拡大します。
日本では、1991年にドメイン名割り当て業務などを行うJNIC(後のJPNIC)が誕生し、本格的な商用インターネットの利用が始まりました。
1990年以降では、米国では電子メールを使ったメールマーケティングも始まりました。
1996年頃からは、今日でも利用されている検索サービスが続々と登場します。
1996年には、商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始し、バナー広告を取り扱うようになりました。
そのほか、「インフォシーク」、「goo」などの検索サイトはもちろん、朝日新聞、日本経済新聞といった大手新聞媒体もWebサイトサービスを開始しています。
さらに、1996年には世界初のアフィリエイトプログラムとしてAmazon.com「アソシエイトプログラム」がはじまりました。
国内でも、2000年にA8.netがASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)サービスをスタートし、集客や販促につながる新たなマーケティング手法として国内外で認知されるようになりました。
2000年代 マーケティングの中心がデジタルへ
21世紀を迎え、マーケティングの中心はデジタルへと大きく移行しました。
2000年前後には、北米においてSFA(営業支援システム)の前段階を受け持つMA(マーケティングオートメーション)ツールを提供する企業が登場しました。
また、ネットワークインフラの整備や携帯電話、スマートフォンといったデバイスの発達によってデジタルマーケティングが急成長しています。
FacebookやInstagram、Twitter、mixiといったSNSが登場したのもこのころです。
2007年には初代iPhoneが発表され、スマートフォンが急速に普及するきっかけとなりました。
こうした新たなサービスやデバイスが次々登場したことで、ウェブサイトやアプリといったデジタル上の情報が生活者に大きな影響を与えるようになりました。
その結果、マーケティングの中心もデジタル上へと大きく移行していきました。
オウンドメディアの活用やSNS上での集客や販促、インフルエンサーマーケティングといった今日当たり前に行われているマーケティング活動の萌芽がこの時代に続々と生まれたのです。
2010年代 「マーケティング3.0」新たな局面へ
戦後の高度経済成長期における大量生産・大量消費社会から、バブル崩壊と国内景気の停滞を経て、日本では顧客志向のマーケティングが重要視されるようになりました。
そして、2010年 にはコトラーらが「マーケティング3.0」が提唱しています。
「マーケティング3.0」では、単なる顧客志向ではなく、社会や世界が意識されています。
実際、2010年代に入ってからは、社会貢献がより重要視されるようになり、マーケティングにおいては商材の機能だけではなく、企業のミッションやビジョンといったものが価値を持つようになりました。
2010年以降は、マーケティング領域でのITの活用もさらに進んでいます。
2013年頃からは、国内においてもMAツールを導入する企業が増加しています。
その背景には、BtoB領域においても、セールスの前段階となるマーケティングの重要性が再認識されるようになったことがあります。
さらに、データドリブンなマーケティングを実践する企業も多くなっています。
MAツールはもちろん、ウェブサイトやスマートフォンアプリ、顧客管理システム、あるいは外部の3rdパーティデータベースのデータをマーケティングに活かそうと試みています。
2014年頃からは、国内でもコンテンツマーケティングが注目を集めるようになりました。
メールマガジンの配信やオウンドメディアの運営、ダウンロード資料や動画資料の提供といった取り組みは、もはや当たり前となりつつあります。
そして、マーケティング部門は、コンテンツを通じて見込み客を獲得・育成し、より成約確度の高い状態でセールスへと引き渡すことを求められるようになりました。
今日のマーケティングでは「コンテンツ」が欠かせない存在!
今回は、マーケティングの歴史を振り返りました。
最後に触れた通り、今日ではコンテンツマーケティングが1つのキーワードとなっています。
実際、ホワイトペーパーや導入事例といったコンテンツをコーポレートサイトやサービスサイトで公開して新規リード獲得を目指したり、メールによる継続的なアプローチで獲得したリードの育成を行ったりしている企業も少なくありません。
特に、MAツールを活用したマーケティングにおいて、コンテンツは欠かせない存在です。
オンラインで見込み客の態度変容を促しつつ、確度の見極めや分析を行うには、多数のコンテンツが必要となるからです。
そして、リードレではMAツール導入企業様を中心に、コンテンツの企画立案、ライティング、デザインといった制作領域はもちろん、カスタマージャーニーマップやコンテンツプランの策定、オウンドメディア立ち上げ、外注体制の構築や内製化支援、MAツールを活用した運用支援まで、コンテンツマーケティングをトータルでご支援しています。
「コンテンツマーケティングを本格化させたい」「すでに取り組んでいるものの、なかなか成果があがらず悩んでいる」という方はぜひお問い合わせください!