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再生数は増えたのに問い合わせがない|住宅会社の集客で大切な2つの働き

ショート動画やリールが伸びて、再生数がいつもの何倍にもなった。コメントも増えた。それなのに、問い合わせフォームは静かなまま——
住宅会社の発信では、こうしたことが起こり得ます。

「これだけ見られたのだから、そろそろ問い合わせも増えるはず」という手応えと、実際の数字が合わないと、何を直せばいいのか分からなくなります。

背景には、「たくさん見られれば、その分だけ問い合わせも増える」という思い込みがあります。見てもらうことと、検討を進めてもらうことは地続きに見えますが、実際には別の働きです。片方が伸びても、もう片方が自動でついてくるとは限りません。

本記事では、住宅会社の集客における「見てもらう働き」と「検討を進めてもらう働き」という2つの役割について整理します。

集客施策の全体像や組み合わせは工務店・住宅会社の集客方法、なぜ検討プロセスから逆算して設計するのかはコンテンツ設計とはで扱っています。本記事は、その手前にある「見てもらう働きと検討を進めてもらう働きは別」という考え方に絞った内容です。

目次

この記事の要点

  • 再生数やフォロワーが増えることと、問い合わせが増えることは、別々の働きで動く
  • 「見てもらう働き」と「検討を進めてもらう働き」は、届く相手の状態も、動かすきっかけも違う
  • だから片方(再生)が伸びても、もう片方(問い合わせ)が自動でついてくるとは限らない
  • 思ったように問い合わせや来場につながらないときは、量を増やす前に「見てもらう働き」と「検討を進めてもらう働き」のどちらに課題がありそうかを分けて見ると、手を入れる場所を絞りやすい

なぜ「バズったのに問い合わせがない」が起きるのか

再生や表示が伸びるのは、それだけ広く「見てもらう」ことができた状態です。一方、問い合わせや来場は、見た人の中の一部が次の行動に進んだ状態です。この2つは同じ発信から生まれるため地続きに見えますが、役割の異なる働きとして考えると整理しやすくなります。

集客では、「見てもらう働き」と「検討を進めてもらう働き」の2つを分けて考えると整理しやすくなります。1つは、まだ会社を知らない人に見つけてもらい、知ってもらう「見てもらう働き」

もう1つは、見て関心を持った人が、比較検討を進めたり、問い合わせや来場など次の行動に進んだりするのを支える「検討を進めてもらう働き」です。

再生や表示が大きく伸びた状態は「見てもらう働き」が十分に発揮されている状態ですが、それだけで、その先の検討を後押しする働きまで発揮されているとは限りません。だから「見られたのに、その後の検討につながらない」というズレが起こり得ます。

「見てもらう働き」と「検討を進めてもらう働き」は役割が違う

2つの働きは、担っている仕事が違います。見てもらう働きは「知らない人に届ける」ための働き、検討を進めてもらう働きは「関心を持った人の検討を後押しする」ための働きです。届く相手の状態も、動くきっかけも異なります。

見てもらう働き検討を進めてもらう働き
主にすることまだ自社を知らない人や、家づくりの情報を探し始めた人との接点をつくる関心を持った人が、比較検討を進めたり、問い合わせ・来場など次の行動につながったりする状態を支える
届く相手の状態家づくりに関心を持ち始めた段階。まだ具体的な会社選びには進んでいないある程度絞り込み、この会社をもっと知りたい・相談してみたい段階
動くきっかけ目を引く・共感する・役に立ちそう、と感じてもらうこと不安が減る・進め方が分かる・相談しても大丈夫、と思えること

見てもらう働きを担うのは、家づくりを考え始める前後の人が「気になる」「もっと知りたい」と感じる入口になる内容です。暮らしの提案や家づくりの気づきなど、まだ会社を知らない人との接点をつくる役割があります。一方、検討を進めてもらう働きを担うのは、相手の不安を減らし、次の一歩を軽くする内容——たとえば、費用や進め方の見通し、実際に建てた人の様子、相談したらどうなるかの説明などです。同じ発信の中でも担う仕事が違うため、片方に効く内容が、もう片方にそのまま効くわけではありません。

たとえばYouTubeInstagramでは、ショートやリールが見てもらう働きを大きく担うことがあります。ただし、そこで増えた再生が、そのまま問い合わせにつながるかは別の話です。見てもらう働きと検討を進めてもらう働きを、同じものとして扱わないことが出発点になります。

なぜ再生が増えても、問い合わせが増えるとは限らないのか

再生が伸びても問い合わせが動かないとき、いくつかの状態が重なっていることがあります。見てもらう働きが十分に発揮されても、検討を進めてもらう働きが不足している、という状態です。

  • 広く届いた相手が、いま家を建てたい層とずれている:見てもらう働きが強く発揮されると、家づくりを検討していない人にも届く。関心の入口としては役立つが、その場で問い合わせに動く人ばかりではない
  • 関心は持たれても、次の一歩の入口がない・重い:もっと知りたいと思っても、進める先が用意されていない、または問い合わせのハードルが高いと、検討を進めてもらう働きは発揮されにくい
  • 見たタイミングと、動くタイミングがずれる:住宅は検討が長く、いま見た人が動くのは数か月後、ということもある。同じ月の再生と問い合わせを直接ひもづけにくい

どれが当てはまるかは会社ごとに違います。再生が増えても問い合わせが変わらないことを、そのまま「発信が失敗した」と決めつけず、2つの働きのどちらが不足しているのかを分けて見ることが、次の判断の手がかりになります。

見てもらう働きと検討を進めてもらう働きが、それぞれどれくらい発揮されているかを数字で確認する考え方は集客の効果測定・KPI設計、見た人を問い合わせ・来場という次の一歩につなぐ道筋の作り方は住宅会社の集客導線とはで扱っています。

2つの働きを分けて考える|それぞれに別の役割がある

2つが別の働きなら、発信も「どちらの働きを担う内容か」を意識して用意すると、ちぐはぐになりにくくなります。すべての発信で両方を狙う必要はありません。見てもらうための内容と、検討を進めてもらうための内容を、役割を分けて考えるという捉え方です。

たとえば、見てもらう働き側には、暮らしの様子や家づくりの気づきなど、まだ会社を知らない人の目に留まる内容。検討を進めてもらう働き側には、費用の目安・進め方・実際に建てた人の声・相談の流れなど、関心を持った人の不安を減らす内容。両方をそろえておくと、見てもらった関心を、次の一歩へ渡しやすくなります。どちらか片方に内容がかたよっていないかを見直すと、どちらの働きに課題があるかに気づきやすくなります。

気をつけたいのは、「この媒体は見てもらう担当、この媒体は検討を進めてもらう担当」と固定して考えないことです。同じYouTubeやInstagramでも、内容によって担う役割は変わります。施工事例を知ってもらうための動画もあれば、性能や費用への不安を解消するための動画もあります。媒体ではなく、その内容がどちらの働きを担うものかで考えることが大切です。

見た人がどの段階で何を考えているかは住宅購入者の検討プロセスで整理しています。段階によって、相手の状態も、動くきっかけも変わるため、どちらの働きを担う内容が必要かも変わります。

住宅の集客で、このズレが起きやすい理由

見てもらう働きと検討を進めてもらう働きのズレは、住宅という商材の事情で、より開きやすくなります。他業種と同じ感覚で「見られた=もうすぐ問い合わせ」と捉えると、実態とずれることがあります。

  • 検討期間が長い:最初に動画やサイトを見てから問い合わせまで、数か月〜年単位のこともある。見てもらった時点で、すぐ動いてもらえるとは限らない
  • 高額で、後悔したくない買い物:関心を持っても、不安が残る間は動きにくい。検討を進めてもらう働きには、不安を減らす内容が必要になる
  • 家族で判断する:見ている人と、問い合わせる人が違うことがある。見てもらった関心が、家族の相談を経て問い合わせに変わることもある

こうした事情があるため、見てもらう働きが十分に発揮された手応えだけで、集客全体の良し悪しを判断しにくくなります。見てもらった関心が、時間をかけて、家族の相談を経て、問い合わせに変わっていく——住宅ではこの前提で、検討を進めてもらう働きを意識して設計し、長い検討の間でも関心をつなぎ続けられる状態にしておくことが役立ちます。

どちらの働きに課題があるかで、見直す場所が変わる

発信が思ったように問い合わせや来場につながらないとき、量を増やす前に、2つの働きのどちらに課題があるのかを分けて見ると、手を入れる場所を絞りやすくなります。状態ごとに、課題のありそうな働きと、考える方向を整理します。

いまの状態弱っていそうな働き考える方向
そもそも見られていない(再生・表示が伸びない)見てもらう働き見つけてもらう工夫(内容・見せ方・届ける場所)を見直す
見られているが、問い合わせ・来場につながらない検討を進めてもらう働き次の一歩の入口や、不安を減らす内容を見直す
見られていて、問い合わせもあるが、もっと増やしたい両方の可能性弱いほうから順に、片方ずつ手を入れて確かめる

これはあくまで当たりのつけ方で、これをすれば必ず改善するというものではありません。どちらが弱いかは、数字で確かめながら判断します。何をどう測るかは集客の効果測定・KPI設計、見た人を次の一歩につなぐ導線の作り方は住宅会社の集客導線とはを参考にしてください。

原因を1つに決めつけず、片方ずつ手を入れて、また確かめる——この進め方が現実的です。

再生やフォロワーは「見てもらう働き」を確認する一つの材料で、問い合わせや来場は「検討を進めてもらう働き」の結果として表れる一つの材料です。この2つは別の働きと捉え、課題のあるほうを見つけて手を入れると、どこを直せばよいかを絞りやすくなります。

よくある質問

Q. バズれば問い合わせは増えますか?

A. 増えることもありますが、必ず増えるとは限りません。再生や表示が伸びるのは「見てもらう働き」が十分に発揮された状態で、問い合わせは「検討を進めてもらう働き」が発揮された結果です。2つは別の働きのため、片方が伸びても、もう片方が自動でついてくるとは限りません。見てもらった関心を次の一歩につなぐ内容や入口を、別に用意しておくことが手がかりになります。

Q. 再生数は増えているのに問い合わせが増えません。何を見直せばいいですか?

A. まず、見てもらう働きと検討を進めてもらう働きのどちらに課題があるかを分けて見ます。見られているのに動かないなら、検討を進めてもらう側——次の一歩の入口や、不安を減らす内容——に手を入れる方向が考えられます。どこで人が離れているかを数字で確かめる考え方は集客の効果測定・KPI設計、つなぐ道筋の作り方は住宅会社の集客導線とはで扱っています。

Q. 発信の量を増やせば問い合わせは増えますか?

A. 量を増やすと見てもらう働きは発揮されやすくなりますが、それがそのまま問い合わせに変わるとは限りません。検討を進めてもらう働きが弱いままだと、見られる回数が増えても、次の一歩に進む人は増えにくいことがあります。量を増やす前に、2つのうちどちらが弱いかを確かめると、労力の向け先を絞りやすくなります。

Q. 見てもらう内容と、検討を進めてもらう内容は分けたほうがいいですか?

A. 役割を意識して分けて考えると、ちぐはぐになりにくくなります。すべての発信で両方を狙う必要はありません。目に留まる内容と、関心を持った人の不安を減らす内容の両方をそろえておくと、見てもらった関心を次の一歩へ渡しやすくなります。ただし「この媒体は見てもらう担当」と固定はせず、内容ごとにどちらの働きを担うかで考えると整理しやすくなります。

Q. 再生数を伸ばすことは意味がないのでしょうか?

A. 再生数を伸ばすこと自体に意味がないわけではありません。知らない人に届く入口を増やすことは、住宅会社の集客でも役立ちます。ただし、見てもらった後に検討を進める情報や接点がなければ、問い合わせにつながるとは限りません。見てもらう働きと検討を進めてもらう働きを分けて考えることで、それぞれの役割を整理できます。

まとめ

再生やフォロワーが増えることと、問い合わせや来場が増えることは、別々の働きです。見てもらう働きと、検討を進めてもらう働きは、届く相手の状態も、動かすきっかけも違うため、片方が伸びても、もう片方が自動でついてくるとは限りません。「バズったのに問い合わせがない」という状態は、見てもらった後の検討を進める情報や接点が不足している場合もあります。ただし住宅では検討期間が長いため、見てもらった関心が、すぐに問い合わせとして表れない場合もあります。

住宅は検討が長く、高額で、家族で決めます。だからこそ、見てもらった手応えだけで判断せず、見てもらった後の検討を進める情報や接点を意識して設計し、どちらの働きに課題があるかを分けて見ると、量を増やす前に手を入れる場所を絞りやすくなります。「見てもらうこと」と「検討を進めてもらうこと」を同じものとして扱わない、という捉え方が土台になります。

2つの働きの状態を何の数字で確認するかは集客の効果測定・KPI設計、見た人を次の一歩につなぐ導線は住宅会社の集客導線とは、施策の組み合わせは集客方法、設計の考え方全体はコンテンツ設計とはをご覧ください。考え方を、測る・つなぐ・組み合わせる実務とあわせると、判断に使いやすくなります。

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