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集客の効果測定とは|住宅会社が「見るべき数字」を決める考え方

動画の再生数が伸びた、サイトのアクセスが増えた、フォロワーが増えた
——数字が動くと、集客がうまくいっているように見えます。

ただ、その数字が増えても問い合わせや来場が変わらない、ということは起こり得ます。数字が増えていることと、集客が前に進んでいることは、必ずしも同じではありません。

効果測定でつまずきやすいのは、測り方の技術よりも前に、何を・なぜ測るかが決まっていないことです。目に入りやすい数字を眺めているだけでは、続ける施策・見直す施策の判断がしにくく、数字を集めること自体が目的になってしまうこともあります。

本記事では、住宅会社が集客の効果を確認するために、目的から指標を選ぶ考え方・検討段階別に見る数字・住宅特有の測りにくさ・測った数字の使い方を整理します。

「どの施策を・どの段階で組み合わせるか」は工務店・住宅会社の集客方法、「なぜ検討プロセスから逆算して設計するのか」はコンテンツ設計とはで扱っています。本記事は、それらの施策が効いているかを何の数字で確認するか(効果測定・KPI設計)に絞った内容です。

目次

この記事の要点

  • 再生数やアクセス数といった1つの数字だけでは、集客の良し悪しを判断しにくい
  • 指標は「測れるから測る」のではなく、目的から選ぶ。閲覧系と行動系を分けて見る
  • 住宅は検討が長く・家族で判断し・オフラインの接点も多いため、1つの経路や1回の数字では測りにくい
  • 測った数字は、他社の平均ではなく自社の過去と並べて、続ける・改善する・見直すの判断材料にする

集客の効果測定とは|「1つの数字」で判断しないための考え方

集客の効果測定とは、集客のために行った施策が、目的に対してどう働いているかを数字や事実で確認することです。KPI(重要指標)は、その目的に対して、どこまで進んでいるかを確認するための数字です。難しく考える前に、「何のために、どの数字を見るのか」を決めることが出発点になります。

つまずきやすいのは、目に入りやすい1つの数字だけで良し悪しを決めてしまうことです。再生数やアクセス数が増えれば集客が前に進んでいるように見えますが、その数字が増えても問い合わせや来場が変わらないこともあります。逆に、数字が地味でも、問い合わせにつながった事例が含まれていることもあります。

もう一つ気をつけたいのが、測ること自体が目的になってしまう状態です。数字を集めて記録しても、それを見て次に何をするかが決まらなければ、確認の手間だけが増えます。効果測定は、続ける施策・見直す施策を判断するための材料であって、数字をそろえること自体が目的ではありません

なぜ再生数・アクセス数だけでは判断しにくいのか

再生数・アクセス数・フォロワー数・いいね数は、集客の状況を知る手がかりになります。ただし、これらは「どれだけ見られたか」を示す数字であって、「見た人が次の一歩に進んだか」までは示しません。見られた量と、行動につながった度合いは、別の数字として分けて捉えると、状況を読み違えにくくなります。

区分数字の例分かること
閲覧系(見られた量)再生数・表示回数・アクセス数・フォロワー数・いいね・保存どれだけ届いたか、関心を持たれたか
行動系(次の一歩)問い合わせ・資料請求・来場予約・見学会参加・電話・商談で参照されたか見た人が具体的な行動に進んだか

閲覧系の数字が伸びているのに行動系が変わらない場合、いくつかの可能性が考えられます。届いている相手が検討層とずれている、内容は見られても次に進む案内(問い合わせや来場への導線)が用意されていない、といった状態です。どれが当てはまるかは会社ごとに異なるため、閲覧系だけを見て「うまくいっている/いない」と決めず、行動系とあわせて見ることで、どこに課題がありそうかを絞りやすくなります。

見られてはいるのに次の一歩に進まない場合、接点をつなぐ導線に課題があることもあります。効果測定は、この導線のどこで人が離れているかを数字で確認する役割も担います。

反応を問い合わせや来場につなぐ道筋の考え方は住宅会社の集客導線とはで扱っています。

目的から指標を選ぶ|「測れるから測る」ではなく「何のために測るか」

指標は、ツールで見られる数字をただ並べるのではなく、先に目的を決め、その目的の進み具合が分かる数字を選ぶという順序で決めます。ツールにはさまざまな数字が表示されますが、すべてを追うと、どれを見て何を判断するのかが曖昧になりやすくなります。

「この施策で何をしたいのか」から逆算する

同じ施策でも、目的が違えば見る数字は変わります。たとえば動画やSNSでも、「まず地域で知ってもらう」ことが目的なら届いた量(閲覧系)を、「見た人に問い合わせてもらう」ことが目的なら行動系を、それぞれ中心に見ることになります。目的を先に言葉にしておくと、追う数字を絞りやすくなります。

その施策の目的中心に見る数字の例あわせて確認したいこと
地域で見つけてもらう表示回数・検索での表示・アクセス数届いている相手が想定した層とずれていないか
疑問に答えて検討を進めてもらう読了・視聴の深さ・保存・関連ページへの回遊知りたい内容にたどり着けているか
問い合わせ・来場につなげる問い合わせ・資料請求・来場予約の件数どの経路から進んだか(分かる範囲で)

表の数字はあくまで例で、すべてを測る必要はありません。むしろ、目的ごとに追う数字を絞るほうが、見続けやすく、判断にも使いやすくなります。1つの数字で判断しないことと、たくさんの数字を追うことは別です。目的に結びつく数字を数点に絞り、そのうえで閲覧系と行動系を分けて見る、という組み立てが現実的です。

数値目標は「他社の平均」ではなく「自社の過去」を基準にする

目標値を決めるとき、業界の平均値や一般的な目安を探したくなることがあります。ただし、エリア・商品・価格帯・体制・発信の歴史が違えば、数字の出方も変わります。外部の数値は参考程度にとどめ、自社のこれまでの数字を基準に、少しずつ良くなっているかを見るほうが、自社の状況に合った判断をしやすくなります。数値目標は、根拠のない一律の基準ではなく、自社の実績から現実的な範囲で置くことになります。

検討段階別に見る数字|どの段階で何を確認するか

住宅購入者は、認知から問い合わせ・来場まで、いくつかの段階を行き来しながら検討します。効果測定も、この段階に沿って「どの段階で何を確認するか」を分けて考えると、どこでつまずいているかを見つけやすくなります。段階ごとに見る数字と、その数字を読むときの注意点を整理します。

検討の段階この段階で見る数字の例読むときの注意点
認知(見つけてもらう)表示回数・検索での表示・アクセス数・再生数届いた量が増えても、この段階だけでは行動までは分からない
興味・情報収集読了・視聴の深さ・関連ページへの回遊・保存見られていても、知りたい情報に届いているとは限らない
比較検討施工事例・お客様の声・費用ページの閲覧、再訪じっくり見る段階のため、すぐ行動に出ないこともある
問い合わせ・来場問い合わせ・資料請求・来場予約・見学会参加の件数件数だけでなく、その後どうなったかも見ないと判断しにくい
来場後・商談商談で事例・動画が参照されたか、契約に至った経路数が少なく、数字より現場の声から拾える情報も多い

段階を分けて見ると、「認知は増えているが比較検討まで進んでいない」「問い合わせはあるが来場につながっていない」といった、どこで人が離れているかの見当をつけやすくなります。また数字だけでなく、その段階の購入者の心理とあわせて見ると、背景を読み取りやすくなります。

ここで注意したいのは、段階が後になるほど件数が少なくなり、1件ごとのばらつきが数字に大きく響くことです。問い合わせや商談は、1〜2件の増減で割合が大きく動きます。少ない件数の割合だけで良し悪しを断定せず、ある程度の期間でまとめて見るほうが、たまたまの変動に振り回されにくくなります。

住宅の集客特有の測りにくさ|検討が長い・家族で判断・オフライン接点

住宅の集客は、他業種と同じ感覚で数字を測ると、実態とずれることがあります。背景には、住宅ならではの検討のしかたがあります。効果測定を組み立てる前に、この測りにくさを知っておくと、数字の読み違いを避けやすくなります。

  • 検討期間が長い:最初に動画やサイトを見てから問い合わせまで、数か月〜年単位のこともある。同じ月の閲覧と問い合わせを直接ひもづけにくい
  • 家族で判断する:見ている人と問い合わせる人が違うことがある。一人の行動として追うと、実際の検討の動きを取りこぼしやすい
  • オフラインの接点が多い:見学会・紹介・地域での評判など、ツールに残らない接点が問い合わせを後押しすることがある

こうした特徴があるため、「今月の再生数と今月の問い合わせ」を単純に対応させると、施策の働きを読み違えることがあります。数か月前に見た動画が、来場のきっかけになっていることもあるからです。そこで、短い期間の1つの数字で結論を出さず、少し長い期間の流れで見ることが役立ちます。あわせて、来場予約や問い合わせのときに「何で知ったか」を尋ねると、ツールに残らない接点も拾いやすくなります。

問い合わせ経路をたずねる項目の作り方や、来場アンケート・流入経路の記録といった具体的な計測方法は、別記事で扱う予定です。本記事では、「オフラインを含めて、複数の接点が重なって問い合わせに至る」という前提で数字を読む、という考え方までを押さえておきます。

測ったあと、どう使うか|改善・続けるの判断材料にする

数字は、集めた時点では判断材料の候補にすぎません。効果測定が働くのは、その数字を見て、続ける・改善する・見直すのいずれかを決めたときです。数字を眺めるだけで終わらないよう、読み方の目安を整理します。

数字から見えること考えられる打ち手の方向
閲覧系も行動系も、自社の過去より伸びている今の進め方を続けつつ、負担を確認して無理なく維持する
閲覧系は伸びているが、行動系が変わらない届く相手や、次の一歩への案内(導線)を見直す
閲覧系が伸びていない届け方・見つけてもらう工夫(テーマや発信の場所)を見直す
時間をかけても変化が読み取れない目的や測る指標が合っているかを確認し、続けるか見直すかを検討する

打ち手はあくまで方向で、これをすれば必ず改善するというものではありません。数字はどこに課題がありそうかを教えてくれますが、原因を1つに断定するものではないからです。数字で見当をつけ、施策を1つずつ試して、また数字で確かめる——この繰り返しが、改善の進め方になります。

なお、「誰が・いつ・どのタイミングで数字を確認し、続けるか改善するかを判断するか」という振り返りを回す仕組みや運用体制は、発信を続ける体制づくりの一部です。この点は、住宅会社のコンテンツ運用体制を扱う記事(公開後にご案内します)にゆずり、本記事では何を・どう測り、どう読むかまでを扱います。指標を選ぶことと、それを振り返る場を業務に組み込むことは、分けて考えると整理しやすくなります。

効果測定は、数字をそろえること自体が目的ではありません。目的に結びつく指標を数点に絞り、閲覧系と行動系を分け、自社の過去と並べて読むこと——これが、続ける・改善する・見直すの判断を支えます。

よくある質問

Q. 集客で、まず何を測ればいいですか?

A. その施策の目的を先に決め、目的に結びつく数字を選ぶのがおすすめです。「見られた量(閲覧系)」と「次の一歩(行動系=問い合わせ・資料請求・来場予約など)」を分け、まずは自社の目的に直接つながる行動系の数字を1つ決めると、判断の軸を作りやすくなります。すべてを一度に測ろうとせず、数点に絞ることから始めると続けやすくなります。

Q. 再生数やフォロワーは増えているのに、問い合わせが増えません。

A. 見られた量(閲覧系)と、行動につながった度合い(行動系)は別の数字です。閲覧系が伸びても行動系が変わらない場合、届いている相手が検討層とずれている、内容は見られても次に進む案内がない、といった可能性が考えられます。どれが当てはまるかは会社ごとに違うため、断定せず、次の一歩への導線を確認してみてください。導線の考え方は住宅会社の集客導線とはで解説しています。

Q. KPIはいくつ設定すればいいですか?

A. 数の正解はありません。多すぎると見続けられず、判断にも使いにくくなります。目的ごとに、進み具合が分かる数字を数点に絞るのが現実的です。1つの数字だけで良し悪しを決めないことと、たくさんの数字を追うことは別です。閲覧系と行動系から少数ずつ選ぶ、といった絞り方が扱いやすくなります。

Q. 業界の平均値やベンチマークと比べるべきですか?

A. 参考にはなりますが、基準にするのは慎重に考えたほうがよいものです。エリア・商品・価格帯・体制・発信の歴史が違えば、数字の出方も変わります。一律の目安に自社を当てはめると、実態とずれた判断になりやすいため、まずは自社の過去の数字と比べ、少しずつ良くなっているかを見るほうが、自社の状況に合った判断をしやすくなります。

Q. GA4などの分析ツールは必要ですか?

A. 目的に対して必要な範囲で使うもので、ツールを入れること自体が目的ではありません。何を判断したいかを先に決め、それを確認できる数字が分かれば十分なこともあります。ツールの画面や設定は変わることがあるため、細かな操作は各サービスの公式ヘルプで最新の情報を確認してください。まずは「何のために、どの数字を見るか」を整理することが先になります。

まとめ

集客の効果測定は、再生数やアクセス数といった1つの数字で良し悪しを決めるものではありません。何のために測るかを先に決め、目的に結びつく指標を数点に絞り、閲覧系(見られた量)と行動系(次の一歩)を分けて見ることで、どの段階でつまずいているかを読み取りやすくなります。

住宅は検討が長く、家族で判断し、オフラインの接点も重なります。だからこそ、短い期間の数字で断定せず、自社の過去と並べて流れで読み、続ける・改善する・見直すの判断材料にする——この使い方が、限られた人員と時間をどこに割くかの判断を支えます。数字をそろえること自体を目的にしない、という姿勢が土台になります。

施策の組み合わせは集客方法、反応を次の一歩につなぐ導線は集客導線、検討プロセスの中身は住宅購入者の検討プロセス、設計の考え方はコンテンツ設計とはをご覧ください。何を測るかと、施策・導線の設計をあわせて考えると、判断に使える形にしやすくなります。

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